ブランド保護は「セキュリティ部門だけの仕事」ではない
フィッシングサイトや偽SNSアカウントが発見されたとき、多くの企業では最初に情報システム部門やセキュリティ担当者へ連絡が入ります。確かに、技術的な調査や初動対応はセキュリティ部門の重要な役割です。しかし、ブランド悪用への対応は、セキュリティ部門だけでは完結しません。企業ブランドを守るためには、複数の部門がそれぞれの役割を理解し、連携することが欠かせないのです。
企業名やサービス名が悪用されると、被害を受けるのは利用者だけではありません。企業にとっても、以下のような影響が発生します。
・ブランドイメージの低下
・問い合わせの急増
・サポート業務の負荷増加
・SNSでの風評拡大
・取引先からの信用低下
ブランド保護は、単なる技術的な問題ではなく、企業の信用そのものに関わる課題です。
ブランド悪用が確認された場合、それぞれの部門には次のような役割があります。それぞれが異なる役割を担うからこそ、迅速な対応が可能になります。
- ▼情報システム・CSIRT
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・偽サイトや偽アカウントの技術調査
・証拠保全
・関係機関への情報提供
・インシデント管理 - ▼広報部門
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・利用者への注意喚起
・報道機関への対応
・公式サイトやSNSでの情報発信 - ▼法務部門
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・商標や著作権など権利侵害の確認
・必要に応じた法的対応
・契約や規約の確認 - ▼カスタマーサポート
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・利用者からの問い合わせ対応
・被害相談への一次対応
・FAQの更新 - ▼経営層
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・全体方針の決定
・必要なリソースの確保
・社外への説明責任
インシデント発生時に最も困るのは、「誰が担当するのか」が決まっていないことです。
例えば、以下のようなことを事前に整理しておけば、初動の遅れを防ぐことができます。
・誰が最初に調査を始めるのか
・誰が通報するのか
・誰が利用者へ案内するのか
・誰が経営層へ報告するのか
担当者の名前まで決めておく必要はありませんが、「どの部門が責任を持つのか」は平時から共有しておきたいところです。
ブランド悪用の手口は変化しています。SNSの仕様変更、新しいホスティングサービスの登場、生成AIの普及などにより、数年前の手順では対応できない場面も増えています。そのため、年に一度は対応手順を見直し、確認しておくことをおすすめします。
・通報先は最新か
・緊急連絡先は変わっていないか
・注意喚起のテンプレートは使えるか
■SEKiGUMOの視点■
ブランド保護は、一人の担当者が頑張る仕事ではありません。セキュリティ、広報、法務、カスタマーサポート、経営層が、それぞれの役割を理解し、同じ目的に向かって動くことで、初めて利用者を守ることができます。「どの部署の仕事か」を議論するよりも、「利用者を守るために何が必要か」を共通認識にすること。それが、企業のブランド保護体制を強くする第一歩ではないでしょうか。
